住まいの研究室は、住まいづくりに使われる素材(建材)がどんな効果を持っているのか、どんな組み合わせが良いのかを実際に実験して、より良い快適な住まいづくりの参考としています。
遮熱による温度の違い
外気の熱気や冷気が屋根や外壁から伝わることで、室温は大きく変化しています。この輻射による熱の伝達を小さくすることで、外気の影響を少なくすることができます。
左の写真は、屋根裏の下地の放射温度を計測したものです。この下地に遮熱シートを貼りつけ、放射温度を計測したものが右の写真になります。
遮熱シートの有無により、5.4℃もの温度差があることが実証されました。これは実際に施工した場合、部屋の温度が5.4℃下がるということではありませんが、間違いなく熱の伝達を抑えることはできるということです。
外気からの影響を抑えることで、エアコンや暖房の稼働を少なくすることができ、電気料金をコストダウンすることもできます。
無垢材と合板の違い
無垢のフローリングと複層合板フローリングでは、どのような違いがあるのか実験してみました。
温度についての検証 (計測条件 / 室温:23.9℃ 湿度:62%)
①複層合板フローリング
一般的に使われる床材
23.8℃
②無垢フローリング/ナラ
広葉樹で硬い床材
23.8℃
③無垢フローリング/スギ
針葉樹でやわらかい床材
23.9℃
④無垢フローリング/マツ
針葉樹でスギよりは堅い
23.8℃
いづれの床材も数字的に大きな温度差はありませんでしたが、手で触った感じだと①の複層合板フローリングと②無垢ナラフローリングがやや冷たく感じられます。これは内部構造の違いによるもので、①は複層合板という製造方法で薄い木を何層にも接着剤で貼り合わせた作りになっており、内部に空気層の隙間がない構造により手の熱が伝わりにくいのです。②の無垢ナラフローリングは広葉樹で、木の質が堅い特徴があります。堅いということは、木の内部構造が詰まっているということになります。①同様に空気層が少ない為、③や④の針葉樹のフローリングに比べると冷たく感じます。しかし、キズや凹みに強いというメリットもありますので、木肌の好みやお部屋の用途に合わせて選ぶことで、メンテナンスを減らすことができます。
無垢材と合板の水質実験
無垢のフローリングと複層合板フローリングを水の中に沈めて、どのような違いがあるのか実験してみました。
①針葉樹合板(ベニヤ)F★★★★の端材
ベニヤの端材を容器の中に入れ、1時間後の水質
1年経過した時の水質
ベニヤの接着剤が水に溶けだし、真っ黒に変色しています。これが、ホルムアルデヒド水溶液という、通称ホルマリンと呼ばれるものです。シックハウスの原因にもなるホルムアルデヒドは、国の認可されたF★★★★の製品でもこの状態になってしまうのです。
②無垢材/スギの端材
無垢のスギ材の端材を容器に入れ、1時間後の水質
1年経過した時の水質
一方、無垢のスギ材でも水の変色は認められます。これは、スギに含まれるヘミセルロースやリグニンといった成分が溶け出したもので、同じように黒くなっていますが、水質の成分には雲泥の差があります。
woodlifeでは、製品カタログなどで高性能とされているもの(素材)が良いものだから使うのではなく、実際にどんな効果が得られるのかを知ったうえで、お客様に自信をもってお薦めしたいと考えています。
素材そのものの性能が良くても、組み合わせ方によってはマイナスの効果になることもあるからです。住まいの性能は「偏った性能ではなく、バランスの取れた性能」が重要になってきますので、今後も色々な住まいづくりの疑問を調査していきたいと思います。
今後の実験予定
外壁色での温度変化
漆喰と珪藻土の調湿効果
内窓の効果
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建築工房 woodlife
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